簡潔さが唯一特長のテキスト
★★★☆☆
2007-03-21
・民事訴訟法は標準的なテキストが少なく、敷居が高い科目といえそうです。
そんな中、本書は数少ない小ぶりのテキストということで人気が高い。
他に選択肢はほとんどないですし、学習中や学習後の知識整理には
確かに役立ちます。ただ、他の基本六法と比較したうえで欲を言うならば、
それほど評価できるようなテキストではないと思います。
・Sシリーズの他書と比べても本書は薄すぎると思います。
もう50〜100頁程度増量してもいいので、もっと丁寧に説明して欲しいです。
骨組みばかりの本とはまさにこの本のことをいうのでしょう。
初心者は突っかかってしまって、逆に理解に時間がかかるおそれもあります。
特に、判例の扱いがひどすぎます。網羅的に掲載はされていますが、
内容の説明がほとんどないです。最近、他の科目では増えてきた
ケーススタディや判例の射程に対する配慮などもほとんどありません。
また、用語の定義も短くて、とても必要十分ではありません。
・そもそもは本書をもとに肉付けをしていく学習を企図しているようですが、
補充としてリンクされている『基本判例民事訴訟法』や『民事訴訟法の争点』の
改訂が遅いので、円滑な補充も難しいです。そもそも、補充のための
本文のリンクは、メジャーな判例百選にするべきでしょう。
・「民訴は眠素に通じる」などといわれて久しいですが、本書もまたそれを
象徴しているような気がします。他の基本六法のようにテキスト類が
充実することを期待したいものです。
初心者にはむしろつらいか
★★★★☆
2007-02-10
有斐閣Sシリーズの民事訴訟法。300ページ弱のボリュームに民事訴訟法全般がコンパクトにまとめられている。記述、内容は平易であり、全体の体系をざっと理解するには程好い中味である。ただ、簡潔すぎるため、初心者にはむしろ理解が進まないのではなかろうか。初心者が「全体像」を掴む場合、あるいは詳しい基本書で学ぶものが木を見て森を見ずの弊害に陥らないように頭の整理をする場合にお奨めの書である。
民訴の最初に
★★★★★
2007-01-05
まあとにかく民事訴訟法というのは、
まずどの基本書から読めばいいのかがよく分からない。
上田徹一郎先生の本はわりと人気があるようで、実際かなり学説などが整理されていて、
レポート書くときには便利なのですが、民訴の最初の一冊に選ぶとなると、
細かいことが細かい文章でいろいろと書かれていて、ちょっと読みづらい。
その点、本書は簡潔な文体で淡々と書かれていて、
民訴の全体像がつかみやすいです。
論点などはあっさりしか書かれていませんが、
民訴の論点は民法との兼ね合いもあってとてもややこしい問題が多いので、
ある程度理解が進んでから挑戦したほうがよいと思われます。
そのように考えれば、あっさりしか書かれていない論点はむしろ長所とみれます。
ジュリスト増刊の「民事訴訟法の争点」という本に対応しているので、
勉強が進んでからは、両者を合わせて読むと、さらに理解しやすいかな、
という感じがします。
まさに体系的理解に役立つ書籍です
★★★★★
2006-12-28
司法試験受験生時代、当時は、上田先生、新堂先生、編著の基本書(名前はわすれた)がよく利用されていました。しかし、どれも分厚くて、また、下三法には、それほど時間をかけるわけにはいかなかったため、困っていました。
ふと、書店で、本書をみて、論点の解説をほとんどしていない(紹介はしているが)のが気にいり、以降、本書を基本書として利用しました。
とにかく、わかりやすく、毎日、30分、声を出して読み進めていきました
本書にであってから、民訴が得意科目になりました
簡潔に整理されたテキスト
★★★★★
2006-10-05
3つの利点があります。
第1に、トピックが基本的な事項に厳選されているので、初学者が詳細なテキストに走って木を見て森を見ずといった事態になるのを防げます。
第2に、一文一文がしっかり書かれているので、安心感があります。ただ、これらのメリットにどうしても付随する欠点として、初学者が読むには具体例が乏しいです。私は「林屋他『民事訴訟法入門』有斐閣双書」を補充的に利用しました。こちらは具体例が非常に豊富な反面、どうしても一覧性に欠けるので、Sシリーズと長短所を補い合って使うことができます。
第3に、体系的な整理が行き届いています。その反面、実際の手続の流れについて具体的なイメージが湧きません。先にあげた双書は、手続の具体的な流れに重点を置いていますので、この点でも相補的に使うことができます。
短所もありますが、長所と裏腹の関係にある避けがたいものですから、星は減らさないことにしました。

