ゼミでは重宝しました。
★★★★★
2008-05-26
大学3,4年次には行政法ゼミに参加したものの、教授には基本書の著作が無かった(公務員試験受験用問題集ばかり編集していました。)ため、
原田要論をテキストとして使用せざるを得なかったことを思い出します。
あれから、かなりの年月が経ちましたが、相変わらず担当教授が執筆したという噂を聞いていません。
当時の代表的な行政法のテキスト、藤田、田中、塩野と比較して、なんと言っても原田要論は表現が平易で、論点がストレートに伝わってきました。
私以外の大半のゼミ生が公務員になっていきましたが、結局、公務員にならなかった私も土地区画整理や都市計画などの行政行為に触れる折々に、
この原田要論をめくり返し、学生時代にはまったく理解できていなかった事例紹介が今になって理解できる部分が少なからずありました。
法律書は、長い時間をかけてじっくり読み込むことに耐えうる本がいいですね。
行政救済?
★★★★★
2008-03-06
行政訴訟が少ないことが法体系のゆがみを生じさせているのでしょうか。
住民が法律の権利を行使しない限り、法体系は機能しない。
本にどれだけ書かれていても、実際に訴訟が起きない限り、行政訴訟法は機能しない。
機能していなものをどれだけ暗記しても実際に役立たないかもしれない。
行政法の(ほぼ)全てがここに!
★★★★☆
2007-05-07
行政法総論と行政救済法が1冊にまとまっており、ついでに行政組織法や地方自治法も少しだが紹介されている。個別の法律(行審法や情報公開法など)の解説については大まかなもので、全く紹介されていない条文も多いが、総論部分については十分な内容。あとは各自で条文を読んで、百選で判例をちょこっと補充すればOKだろう。
内容については「一般の教科書のように、通説に従い、簡潔かつ模範答案的な記述をするのではなく、むしろ通説に対し大胆に異をとなえ、筆者の考えを思い切って述べるという方法をとった。」とはしがきで著者が語っているように、大部分の主要な論点で伝統的通説やこれまでの判例と異なる見解を採っているといっても過言ではない。
特徴的なのが抗告訴訟で、処分性に関して独特の見解を採るため、通達・行政計画・行政指導・行政立法等ほぼ全ての行政作用に関して、国民に及ぼす影響によっては処分性を認めている。また、原告適格についても保護に値する利益説を採り、なおかつ「行政とは国民の利益に奉仕するサービス活動である」という観点から、「法の執行が国民生活に資する場合には、その利益は原則として法の保護する利益と解釈すべき」と広く解している。
そのため、解釈次第でほとんどの行政作用を抗告訴訟の手続きにのせて争えることになる。一見非常に使い勝手が良い見解だが、試験問題で無理に原田説を展開すると出題意図から大きく外れてしまう危険もあるかも。あくまで伝統的な処分性の基準と「法律の保護する利益説」を採用した上で近時の判例のようにそれを緩やかに解釈していくのか、それとも原田説でいくか。なかなか判断が難しいところである。
非常にお世話になりました。
★★★★★
2007-04-07
珍しい白いケースと、総論と救済法が一冊になっているという
コンパクトさに惹かれて購入したのですが、大正解でした。
外見のいかめしさにかかわらず文章は柔らかく、
重要なところは繰り返し強調されているため、読み通すのも比較的楽です。
それでいて重要な知識は相当網羅されています。
著者の、一貫した視点による熱のこもった、いわゆる血の通った文章で
貫かれているため、行政法に無味乾燥さを感じている人にもお薦めです。
一気に読んで、全容を把握するのにはもってこいの本といえるでしょう。
ただ、判例の紹介が少なく、判例索引がないことは今では痛いと思います。
名作ですが、テキストとしてはそろそろリタイアかなという気はします。
とても良い本です。
★★★★★
2005-09-14
受験時代を思い出す本です。他の先生の定評ある本と共に、難問にも対応できる実力をつけるため、600件近い判例分析と共に勉強し、どこに何が書いてあるか把握しただけでなく、自分の思考の参考になった本です。良い点は目次や索引がしっかりしていること。事例も多く、頭の体操もできます。特に基礎的な行政法の発想が身に付いてくると論理性や深さが分かってきます。一見とっつきやすいところもあり、1種公務員試験程度であればまず落とすことがないし、かっての司法試験の法律選択時代(予測不可能といいたくなる出題があり気苦労の元であった)でも定本であったという実績があります(最後はこの本を頼りにした記憶があります)。限界はやはり行政法総論にとどまること。私の理解も拙いので偉そうなことは言えませんが、それを分かった上で行政法を勉強すれば更に難しさ面白さが分かってくると思います。

